日本輸血・細胞治療学会

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献血について

“けんけつちゃん”が描かれた献血バス

わが国の医療は医師、看護師をはじめ多くの医療に携わる人々の努力、まごころ、技能で支えられています。しかし、それらの方々だけで医療が行われているのではなく、技術や薬を開発する人、それらを製造する人、届ける人も重要な役割を担っています。なかでも、輸血は外科、内科、産婦人科、小児科を問わず、重症の患者さんや出血をした患者さんに使われ、高度な医療を支える礎であり、それは健康な国民の善意の献血で成り立っています。


献血は「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」(血液法といわれています)の理念のもと、厚生労働大臣の定める基本方針に従って行われており、日本赤十字社のみが行っています。


輸血を行う病院は日本では約10,000施設あり、そこでは年間100万人を超える患者さんに輸血がされています。輸血を受ける患者さんの多くは白血病やがんの患者さんです。事故や災害は勿論ですが、日々の医療のなかで抗がん剤治療や手術が滞りなく進むように輸血は医療を支援し、人々の命を救うことに貢献しています。


献血の血液が患者さんに届くまで

献血に協力される方々は年間延べ500万人おられ、それは一日15,000人から20,000人にのぼります。日本のどこかでこれだけ多くの方がボランティアとして、病める人々のために協力されていることは、誠に尊いことです。それは、人口の4.1%、16才から69才の献血可能人口の約6%に相当します。また、献血される方は一年に平均1.7回の献血をされています。


献血では1回に400mLほどの血液を頂きます。献血ルームでは機械を使って血液の特定の成分だけを採血する、成分採血ということも行われています。献血して頂く方は、数百mLの血液を提供しても生活に支障の無い健康に余裕のある方が望ましく、特に若い方々のご協力をお願いしています。


献血の風景

献血頂いた血液は検査・製造設備のある数か所のブロック血液センターに運ばれ、安全性等の検査や血液の遠心分離、包装などを行って病院で使用できる製品となります。血液は輸血に使用されるだけでなく、血友病や感染症などの治療薬にもなります。輸血用の血液として病院に届けられるものは、赤血球、血小板、血漿ですがそれらには使用期限があり、冷凍保存しないものは短いもので4日、長くても21日の期限しかありませんので、献血された血液は速やかに病院に届けられます。血液は必要な時に、いつでも病院にあることが大切ですが、貴重なものですから無駄にならないようにしなくてはいけません。血液センターは必要に応じて過不足なく病院に届けること、病院では無駄のない使用を心がけることが血液法にも記載されており、関係する人々が患者さんの健康回復を願って努力しています。


献血はちょっと痛いのですが、間違いなく「いいことをした」という感覚は、それ以上に心を温かくすることでしょう。災害や病気はいつ自分に降りかかるかわかりません。それは一人で解決できないかも知れません。日頃から互いに助け合う気持ちを持つことが大切と思います。(2014年記載)