“けんけつちゃん”が描かれた献血バスわが国の医療は医師、看護師をはじめ多くの医療に携わる人々の努力、まごころ、技能で支えられています。しかし、それらの方々だけで医療が行われているのではなく、技術や薬を開発する人、それらを製造する人、届ける人も重要な役割を担っています。なかでも、輸血は外科、内科、産婦人科、小児科を問わず、重症の患者さんや出血をした患者さんに使われ、高度な医療を支える礎であり、それは健康な国民の善意の献血で成り立っています。
献血は「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」(血液法といわれています)の理念のもと、厚生労働大臣の定める基本方針に従って行われており、日本赤十字社のみが行っています。
輸血を行う病院は日本では約10,000施設あり、そこでは多くの患者さんに輸血がされています。輸血を受ける患者さんには、交通事故や重度外傷、大手術などによる大量出血といった状況がありますが、実際には白血病やがんの患者さんが多くを占めています。日々の医療において、抗がん剤治療や手術が円滑に進むよう、輸血は医療を支え、人々の命を救うことに貢献しています。
献血の血液が患者さんに届くまで必要な献血のご協力者数は医療機関からの血液製剤の需要によって変動しますが、直近では年間延べ500万人ほどで推移しています。
輸血用の血液製剤の保存期間は短く、人工的に製造される代替品がないため、医療で必要とされる製剤をいつでも使用できるように備えておくには、献血血液を安定的に確保しておくことが必要です。
献血バスでは、採血種別にもよりますが1回に400mLほどの血液をいただいており、献血ルームでは、血液の特定の成分だけを採血する成分献血も行われています。献血いただく方の健康と安全をお守りするため、血液法に定められた献血基準に則ってご協力いただいており、少子高齢化の人口動態の変容も踏まえ若年層を中心とした各年齢層の継続した協力をお願いしています。
献血の風景献血いただいた血液は検査・製造設備のある数か所のブロック血液センターに運ばれ、安全性等の検査や血液の遠心分離、包装などを行って病院で使用できる製品となります。血液は輸血に使用されるだけでなく、血友病や感染症などの治療薬(血漿分画製剤)にもなります。輸血用の血液として病院に届けられるものは、赤血球製剤、血小板製剤、血漿製剤ですが、それらには使用期限があり、赤血球製剤は採血後28日間、血小板製剤は6日間と短いため、輸血用血液製剤として製造された後速やかに病院に届けられます。輸血用血液製剤は必要な時に、いつでも病院にあることが大切ですが、善意の血液で作られる貴重なものですから無駄にならないようにしなくてはいけません。血液センターは必要に応じて過不足なく病院に届けること、病院では無駄のない使用を心がけることが血液法にも記載されており、関係する人々が患者さんの健康回復を願って努力しています。
献血はちょっと痛いのですが、間違いなく「いいことをした」という感覚は、それ以上に心を温かくすることでしょう。災害や病気はいつ自分に降りかかるかわかりません。それは一人で解決できないかも知れません。日頃から互いに助け合う気持ちを持つことが大切と思います。(2026年記載)





